アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国@名古屋市美術館
アドルフ・ヴェルフリ(1864-1930)は、アウトサイダー・アート/アール・ブリュットの芸術家のひとりとして知られています。
アウトサイダー・アート/アール・ブリュットとは、芸術の教育や訓練を受けておらず、既成の芸術流派や傾向・モードに一切とらわれることなく独自に作品を制作しつづけている人々の作品のことを指します。
スイスのベルン近郊の貧しい家で生まれたヴェルフリは、1895年にヴァルダウ精神科病院に入院し、66歳で没するまでの生涯をこの病院で過ごしました。
病院内でヴェルフリは、『ゆりかごから墓場まで』と題された自叙伝を書きます。この物語は、聖アドルフ2世と呼ばれる主人公=ヴェルフリが、様々な世界を旅する冒険譚で、巻数は9巻に及び、総ページ数は約3000ページにまで達します。
その他にも『地理と代数のノート』、『葬送行進曲』といった物語の数々を紡ぎだし、それらヴェルフリの作品は実に全45冊、25,000 ページという目もくらむようなボリュームです。
この展覧会は、ヴェルフリの主要な作品のほとんどを収蔵するベルンのアドルフ・ヴェルフリ財団の全面的な協力によってヴェルフリの画業を回顧する日本初の大規模な個展になります。
用紙いっぱいに描かれた、色とりどりの絵や記号や音符

余白がなく用紙いっぱいに描かれているのには目を見張ります。
左:《クリノリン. ギーガー=リナ. 糸つむぎ=リナ. 安楽椅子=リナ. おとぎ話=安楽椅子=リナ. 大=大=女神》
右:《ネゲルハル[黒人の響き]》
左:《アメリカ、カナダ連合国のチンパンジー=猿》
右:《バント[帯]=ヴァント[壁]の中の聖ヴァンダナ=大聖堂》
※上記の写真はいずれもチラシより
聖アドルフ=王座=アルニカ。ひまわりみたいだ

※美術館の外にあった展覧会のスケジュールが描かれた案内板より
名古屋市美術館

アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国
会期:2017年3月7日(火)~4月16日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時、金曜日は午後8時まで
(いずれも入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日
観覧料:1,300円
場所:名古屋市美術館
住所:〒460-0008 名古屋市中区栄二丁目17番25号(芸術と科学の杜・白川公園内)
電話: 052-212-0001
ホームページ:http://www.art-museum.city.nagoya.jp/index.shtml
『アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国』は、このあと4月29日(土)から、東京ステーションギャラリーで開催されます。(2017年4月29日(土)~6月18日(日)まで)
2017年5月21日と6月17日に、東京ステーションギャラリーのヴェルフリ展に行ってきました。
不思議な絵 『アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国』へ行ってきました@東京ステーションギャラリー
東京ステーションギャラリーでは、ヴェルフリの絵はもちろんのこと、重要文化財である丸の内駅舎の内部の様子も楽しんできました。
木製の床、煉瓦造りの壁に、地下を思わせるような暗めの照明の展示室内は、不思議とヴェルフリの絵にマッチしていて、また違った雰囲気を味わってきました。
本邦初の本格画集って帯に書いてる。あれ?美術館で売っていた図録の表紙に似ているような。。。
独創的で精緻なヴェルフリの作品をカラーで収録しています。
アウトサイダー・アートの特集をしています。
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